学校ハーブ園プロジェクト

プロジェクトの背景
カンボジアの公立学校、特に地方の僻地にある学校では、建物や設備の維持管理がうまくなされていないことが多く見受けられます。教室の扉や窓が壊れたまま修理されていない、校庭や教室にごみが散乱している。その背景には掃除や衛生について教えられていないことも一因としてありますが、国から学校への運営費予算が極端に少なく、建物の維持管理やゴミ箱の設置などに充てられる資金が不足していることも挙げられます。
カンボジアの教育省(Ministry of Education, Youth and Sport)は、適切な学校環境に関する指標を2016年に発表し、その中で詳細に、学校のあるべき姿についてチェックリスト形式で提示していますが、その施行については各学校の判断に任せる形となっています。やる気のある学校長や先生たちは、これらのチェックリストに沿って、限られた予算の中でできる限りの環境整備に取り組まれています。
ローゼル・ストーンズ・クメール社では、ハーブ製品の製造会社としてのノウハウを活かし、「学校ハーブ園プロジェクト」を紹介しています。
プロジェクトの3項目目にある、学校が乾燥ハーブを製造して運営費の補填とするという内容は、日本の教育環境から見ると一見奇異に思われるかもしれません。カンボジアの公立学校では、国からの予算が限られていることから、学校独自で収入を作ることが認められています。学校によってはNGOの支援が入っていたり、すでに何らかの収入創出活動がなされているところもあります。

目的

1.ハーブ植物の栽培を通じて、学校の緑化、美化に取り組むきっかけを作る
2.子どもたちがカンボジアのハーブ植物について学ぶきっかけを作る
3.乾燥ハーブの買い取りを通じて、学校の運営費に充てられる収入を生みだす

学校の緑化・美化

適切な学校環境に関する指標では、「学校の美化・緑化」についても指導がなされており、ゴミの分別、植物を校庭に植えることなども、指導項目に含まれています。
私たちは、校庭での栽培に適したハーブ植物を学校に紹介すると同時に、栽培に適した環境作り(校庭のゴミ拾い、分別、ゴミを校庭に捨てない指導)などについても学校と協力して取り組んでいます。

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学び

すでに校庭にたくさんの植物が生えている学校もあります。これら既存植物の中でハーブティーとして使えるものや、カンボジアの日常生活では使われていない使い方などについてお話をすることで、子どもたちだけでなく、先生たちもこれまでとは違った興味を持って校庭の植物を見てくれるようになることもあります。
新しく校庭を整備してハーブ植物を植えた学校では、子どもたちが順番で水やりなどを担当し、植物の日々の成長を観察する場となっています。

学校運営費の補てん

残念ながら、カンボジアの公立学校に対する政府からの運営予算は、まだまだ充分とはいえない状況です。そのため、校舎の補修や備品の補充などが充分にできない学校が多くあります。
状況を精査し、乾燥ハーブを作るのに適した状況にある学校に、乾燥手順のワークショップを行っています。衛生的な手順を守って天日乾燥されたハーブを、私たちは適正価格で買い取り、その収益が学校の運営費の補てんとして使われています。

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ひとつの学校でハーブ植物の栽培地を決め、校庭のゴミをきれいにして、種を植える。水やりをして収穫できる時期が来て、乾燥作業に失敗もありながら何度かチャレンジして、やっと買い取りができるレベルの乾燥ハーブができるまでに、少なくとも一年はかかります。長い場合は二年かかることも。しかしこの工程を通じて、学校の先生も生徒たちも、校庭をきれいにする習慣を意識し始めたり、草花に興味を持ち始めたりといった変化が生じます。何人かの生徒は自分の家にも種を持ち帰って、植え始めたりもしています。「今までまったく気付かなかったけれど、この村にはハーブ植物がいっぱい生えていることに気付いたよ!村の人にも教えてあげたい」と目を輝かせて話してくれた先生もいます。
私たちは会社として、質の良い乾燥ハーブを仕入れることは大事ですが、学校ハーブ園プロジェクトに関しては、ハーブを栽培する工程で、まずは学校にゴミが散乱しなくなって、校庭に花や緑が溢れてくれることを、そんな学校がひとつでも多くできることを目指しています。そして余力があれば、環境が許せば、乾燥ハーブを一緒に作ってみましょう、そういう気持ちで続けています。
小さな活動ですが、この国でお仕事をさせて頂いている感謝の気持ちを、ハーブの仕事を通じてカンボジアの社会に少しでも還元できればと思っています。

※「学校ハーブ園プロジェクト」は、弊社アドバイザー高田忠典が長年にわたり取り組んできた「学校薬草園プロジェクト」からノウハウを継承しています。

※2018年3月に、SankeiBizでも紹介されました。こちらからお読み頂けます。

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